「納屋に住まう」リフォームは、仕上げ工事の後半に差し掛かりました。

今回は、仕上げ工事の中心の左官工事について話をします。
何故、土壁の仕上げを選択したかというと、このリフォームの場合、
既設の壁が土壁の荒壁(下地壁)で出来ていました。

それを素直に生かそうと考え湿式の壁で仕上げることにしました。
土壁の仕上げと言っても歴史は古く、飛鳥時代には現在に近い使われ方をされていたようです。
そして、戦国時代には耐火性の良さを評価されて、普及していったと言われています。
その歴史故、非常に多くの材料種類と表面仕上げ(テクスチャー)があります。
知られている壁としては、じゅらく壁・漆喰壁・珪藻土壁・火山灰の壁などがあります。
また、表面仕上げとしては、刷毛引き・櫛引き・木ごて・金鏝・引きずり・スタッコ・スパニッシュ
大津磨きなど多様にあります。
今回の選択としては、コスト・消臭・調湿・安全性などを考慮して、
アロエの化石を含むカルシュウムとミネラルを配合した材料を選択しました。
この商品は、水溶性であり、シリカを含まず、ノンホルムアルデヒドの材料です。
また、表面仕上げとしては、納屋のもつ素朴な雰囲気を配慮して、金鏝で
心地良い鏝跡を残し、押さえを行わない仕上げとしました。
仕上げ工事も、もう少しで終わる状態ですので、工務店・クライアントとしっかり
した、コンセンサスを保ち、工事監理を行いたいと思っています。
納屋の持つダイナミックな木構造を内包する、素朴で豊かな数奇屋になること
を心に抱きがんばっていきます。



設計室 K

玄関廻りの壁

2階寝室廻りの壁

表面の仕上げ
スポンサーサイト