今晩は



相変わらず寒い日が続いていますね。
最近は、雪がよく見られるようになりました。
私の場合、夜の犬散歩が寒くて大儀になります。
先週の土曜日に高松市内にある仏生山法然寺の五重塔の現場に
見学に行って来ました。
この法然寺は、建永二年(1207)に法然上人が御年七十五歳で四国に流されて
お住みになった小松庄生福寺の遺跡です。
ここを、高松藩祖松平頼重公が復興して代々の菩提寺としたものです。
栄華を極めた明治時代は、33の門と24の寺格で構成されていました。
そして、玉藻城の落城の時を考慮して、第二の城をして機能するように
計画されていました。
それ故、法然寺へのアプローチ部分には2つの池があり、後には山を背負う固い守りの
構成になっています。
こんなお話を住職さんから聞くと、「なるほどー」と唸ってしまいます。
ところで五重塔とは、何かわかりますか

五重塔は、お釈迦様の遺骨(舎利)をお祀りし、お釈迦様のお墓としたのが
始まりだと言われています。
この法然寺でも舎利を厨子に納めて初重に祀られるように計画されています。
この五重塔は、来年が法然上人が亡くなって800年になるので、
何と高さはそれにちなみ800寸(800×0.0303=24.24m)で計画され
平成23年2月28日に竣工予定とのことでした。
構造は、木造で五重の屋根を支え、中心を貫く心柱は、2本の木を上下につないで、
立っていますが他の部材と接することなく頭の上の金物を支えているだけの構造と
されています。
現代的な構造解析を行い、地震や台風に強い建物になっています。
木材は、檜材で、心柱は樹齢250年の大木で奈良県吉野郡の山奥から切り出して来た
とのことです。実際に見る非常に逞しく美しい材料でした。
この心柱には、文字が多く書かれていて祈りを感じました。
五重塔の現場に立ち会うことは、めったにありません。
現場では、大工技術に感動しっぱなしでした。
大工工事を請け負っている、日本最古の工務店の金剛組からは4名の
宮大工さんがいらっしゃいました。
お話を伺うと、全国でこのような工事を行っているとのことでした。
完成が待ち遠しいものです。


仁王門横の建設現場

建設現場正面

屋根下地

軒裏の化粧たる木

屋根のたる木組み

屋根のたる木組みと心柱
日本の古来からの建築技術は、素晴らしいものです。
五重塔は、構造的に合理的で美しい建物だと改めて思いました。
設計室 K
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