こんにちは

引き続き、芸術祭の秋シーズンにアートサイトの訪問を書かせて頂きます。
まずは、香川県中小企業家同友会の建築部会で訪問した粟島からです。
この島は、日本で最初の海員養成学校がつくられました。私は海の男の島というイメージでした。

島に入り道を歩くと、黒い漁に使用する浮きを利用した猫のようなオブジェ
が道案内していました。

元海員学校の洋風校舎で、現在は「粟島海洋記念館」として資料展示をしています。
今回の芸術祭の会場でもあり、3つのアートサイトがありました。

久保田沙耶さんの漂流郵便局のサイン。

この漂流郵便局留めの手紙が、この銀色の箱に入っています。

局長姿のアーティストの久保田さん

学校の音楽室に置かれていた、鬼瓦の手法で製作された音楽家のオブジェ
これは、おそらくベートーベンだっと思いますが・・・。

山本浩二さんの「粟島製塩所」というアート作品。
海水を霧状に散布するミストルームの中で、塩の結晶を彫刻化する試み。
ミストルーム内部に入ると、張り巡らされた糸に付いた塩の結晶がキラキラ輝き美しい。

植物をガラスの挟み窯で焼成した作品。
暗闇に浮かび上がる植物群が美しく秀作のアート作品でした。
クリックして頂くと、植物と判りますよ~
続いて訪れた高見島です。

市村冨美雄+中川裕孝+テキスタイル研究室の3000枚の旗と大漁旗の群造形アート。
島のいたるところにあり、圧倒的な量に驚かせられました。

小松敏宏さんの海水のガラス瓶を積み上げたアート
廻りの環境に影響されて、色が変わります。不思議な透明感がありました。

青木亜樹さんの住宅跡に残された、古材・網・お皿・古農作機械などを土に
打ち込んだモニュメント。大迫力でした。

吉野央子さんの「蛸の家」という作品で、家じゅうが木製で出来た蛸だらけでした。
蛸の仕上げが丁寧なのと非常に人間的な扱いで、蛸に愛情を感じました。

内田靖之さん+小川文子さん+田辺桂さんの「除虫菊の家」という作品
実はこれは、巨大な蚊取り線香なのです。以前は除虫菊栽培が島の基幹産業だったのです。

建築家の野村正人さんの作品で、ここでイタリア料理を食べることが出来ます。

若林亮さんの「望郷の火」という瓦の本体と持つ連続した、かがり火装置です。
音と黒煙と勢いある炎が、かがり火となり、この島に訪れた人を見送る。
続きまして小豆島です。アートサイトが一番多い島でした。
この島は、春・秋シーズンの2回訪れました。

春・秋シーズンに訪れたワン・ウェンチーさんの「島の光」という巨大ドーム作品。
地元産の竹と約5000本利用して地元の人たちと組み上げた建築作品でした。
2010年の時とほんの少し形が違うように感じました。夜はLEDで美しくライトアップ
されていました。

私が大好きなヤノベケンジ氏の作品。廻りながら夜は、目が光ります。
作品の仕上がりレベルが、高く「お~っ」と驚嘆しました。

ビートたけし氏×ヤノベケンジ氏の作品で、時間と共にこの地霊的な化け物が現れて、
人を脅かすという寓話的な彫刻作品。化け物の動き・表情が何故か可愛い感じでした。

ジェームズ・ジャックの「言葉が宿る家」という小屋を再生した作品。
作家・地域住民の思いが伝わる作品。デザインモティーフの曲線が効いていて良かった。

越後正志さんの作品で、廃校の講堂で設置されたインスタレーション
ビニールハウスの骨組みと竹籠から漏れる光の関係が美しい。

ここで地元料理のお接待を受けて美味しく頂きました。何故か山羊がここに居ました。
ドットアーキテクツさんの地元に暮らす人と訪れた人を繫ぐエコロジーな建築作品

福田港の近くのにあり、アジアのアートプラットフォームとしてつくられた福武ハウス
の敷地内あり、建築家の西沢立衛さんが設計したヒューマンスケール感じて楽しめる作品。
鋼板の曲げが、体感したことのない不思議な空間をつくり出していました。

山崎亮さんが小豆島町の地域住民を巻き込んで、時間を掛けて試みた
アートプロジェクト。この光のグラデーションの正体は、なんと醤油なのです。
お弁当のタレ瓶に色々な醤油を入れて、グラデーションを作りバックライトを
当てて、壁面照明のにしています。取り組みに驚きました。
続きまして私が、芸術祭最終日に訪れた丸亀の本島です。

本島の笠島まち並み保存地区。
漆喰壁・なまこ壁・鬼がわら・鏝絵などが美しい古いまち並みが残っています。

町を歩いていると観られる、竹の花器に生けられた季節の花。

平良亜弥さんと西岡万里子さんの建築基礎をベースに展開した植物アート作品。
透明な天井の部分の細胞模様は、ねこじゃらしの種で出来ていました。

斉藤正さん×続・塩飽大工衆さんの版築の技術を利用して建築作品。
今では忘れ去られようとしている「塩飽大工衆」復活を願い、続塩飽大工衆として
活動を開始する。

裏側を観ると建築中でした。これからの展開が楽しみですね。

村尾かずこさんの島の昔話・言い伝えのエピソードを表現した鏝絵看板プロジェクト。

森節子さんの古民家を利用したパワフルなアート作品。
仏教の持つ色・文字を利用して独特な世界を展開していました。

この島で一番気になったインドのサンタル地方の建築様式の童話的作品。
岩田草平さんとプロマイノリティさん達で建築しています。
内部で展開する、童話的な土絵が面白かった。敷地の土で作られています。

彫刻家の石井章さんが製作した咸臨丸のスティールアート。
多くの細いスティールを使って表現した美しい力作。

港の近く海岸にシーボルトガーデンのオブジェ。
風景に溶け込んでいました。
今年は、時間の許す限り色々な島を巡りました。島では、多くの感動と発見がありました。
廻ることの出来なかった島も多くありますが、それぞれの島で幾つかアートサイトが残ります。
時間をつくり、また巡って行きたいと思います。また、3年後にも参加の挑戦を行いたいと思う。
創芸 設計室 K