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株式会社創芸スタッフのお届けする日々の業務日記です。
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「納屋にすまう」りフォーム7

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「納屋に住まう」リフォームは、仕上げ工事の後半に差し掛かりました。
今回は、仕上げ工事の中心の左官工事について話をします。

何故、土壁の仕上げを選択したかというと、このリフォームの場合、
既設の壁が土壁の荒壁(下地壁)で出来ていました。
それを素直に生かそうと考え湿式の壁で仕上げることにしました。

土壁の仕上げと言っても歴史は古く、飛鳥時代には現在に近い使われ方をされていたようです。
そして、戦国時代には耐火性の良さを評価されて、普及していったと言われています。

その歴史故、非常に多くの材料種類と表面仕上げ(テクスチャー)があります。
知られている壁としては、じゅらく壁・漆喰壁・珪藻土壁・火山灰の壁などがあります。
また、表面仕上げとしては、刷毛引き・櫛引き・木ごて・金鏝・引きずり・スタッコ・スパニッシュ
大津磨きなど多様にあります。

今回の選択としては、コスト・消臭・調湿・安全性などを考慮して、
アロエの化石を含むカルシュウムとミネラルを配合した材料を選択しました。
この商品は、水溶性であり、シリカを含まず、ノンホルムアルデヒドの材料です。

また、表面仕上げとしては、納屋のもつ素朴な雰囲気を配慮して、金鏝で
心地良い鏝跡を残し、押さえを行わない仕上げとしました。

仕上げ工事も、もう少しで終わる状態ですので、工務店・クライアントとしっかり
した、コンセンサスを保ち、工事監理を行いたいと思っています。
納屋の持つダイナミックな木構造を内包する、素朴で豊かな数奇屋になること
を心に抱きがんばっていきます。


                                      設計室 K

                                       
HP用IMG_1805
              玄関廻りの壁

HP用IMG_1807
                   2階寝室廻りの壁    

HP用IMG_1806
                     表面の仕上げ

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柳 宗理さんの展覧会

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五月晴れで、外にいると汗をかきますね。
休日をいかがお過ごしですか?

私は、広島現代美術館で特別展 柳宗理 「手から生まれるかたち」を観て
来ました。先週の休日でしたが、人も余り多くなく観やすい環境でした。

館内に入り、?マークのサインを着けている学芸員さんに説明を受けながら
展覧会を観ました。

柳宗理さん(1915~)は、日本におけるインダストリ・アルデザイン(工業デザイン)
の領域の確立と発展を牽引したデザイナーです。
代表的なものとしてバタフライ・スツールがあります。
余計な装飾をそぎ落とし、シンプルなフォルムに美しさと機能を兼ね備えたものと
して、多くの人に長く支持されています。
構造的な視点から見ても、非常に良く出来ています。
展覧会では、このスツールのプロトタイプが展示されています。

展示されている物の範囲を観るかぎり、インダストリアル・デザインの職域の広さ
と、作品の質に感動します。
展示されている物を書き出すと下記のようになります。

イス・収納家具・照明・キッチンウェア・テーブルウェア・オブジェ・テキスタイル・
サイン・公共構造物(バス停・高速道路料金所・キヨスク)・家電etc

また、この展覧会では柳さんのインダストリアル・デザインのプロセスを観ることができます。
紙を切り、石膏を削りだし、手のひらで実際に感触を確かめながら丁寧にデザインする姿勢
を窺うことができます。そして、修正跡のある図面も展示しています。

このような試行錯誤のデザインの末、たどり着いたがアノニマス・デザイン
(無名性のプロダクトデザイン)であり、デザインが主張することのないフツウ
のかたちと言えるようです。

ちなみに、この柳宗理さんのお父さんは、民芸運動の中心人物で思想家・美術評論家
の柳宗悦さんです。そして、お母さんの兼子さんは、日本のアルト声楽家で非常に著名
な方です。このような芸術的な家庭環境で、お育だちになられたようです。

柳さんは以前から、大好きなデザイナーさんの一人であり、この展覧会を観て
その偉大さを実感しました。


                                       設計室 K

HP用IMG_4857






「納屋に住まう」リフォーム6

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夏のような日差しが連休前半は、続いています。
いかがお過ごしですか?

納屋のリフォームも終盤に差し掛かってきました。
今回は、和風住宅の電気設備の納め方について
書きます。

内壁には、大壁と真壁があります。
大壁は、柱などの構造材が見えていないもの。一般的に洋風建築の納まりです。
また真壁は、和風木造建築における伝統的構法で壁を柱と柱の間に納め、
柱が外面に見えるものを指します。

今回和風住宅の場合、真壁の伝統的な構法ですので土壁の中には、
竹小舞(竹を編んだ下地)があり、それを貫きに固定して壁を構成して
います。

リフォームの場合に配線や、スイッチや、コンセントを綺麗に納めるために土壁を
落として配線などの設置後にまた、土壁を塗り直すことをしなければなりません。
そして、スイッチや、コンセントは柱に固定します。

それ故、配線ルートの確定や、スイッチやコンセントの位置を丁寧に検討しなければ
なりません。図面でも検討は、行いますが現場で図面で見えないところのフォローを
しっかり行うように努力しています。

現場での、設備の状況の写真を添付します。
一般的な洋風建築のリフォームと違い、どうしてもゆっくりと進みます。



                                             設計室 K

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            スイッチの納まり

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           コンセントの納まり

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            分電盤の納まり